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ネイルサロン開業の資金はどう集めるか:自己資金・創業融資・補助金の使い分け

「ネイルサロンを開きたいけれど、お金をどう用意すればいいのか分からない」。
開業のご相談で、いちばん最初に出てくるのがこの話です。

先に結論をお伝えします。

  • 土台は自己資金。ただし、全額を自分で用意する必要はありません
  • 足りない分は、日本政策金融公庫の創業融資が第一候補です
  • 補助金は「開業のお金」としては当てにしないほうが安全です。原則として、使ったあとに受け取るものだからです

私たちsalon UNELMAは、福岡でネイルサロン5店舗とアイサロン1店舗を運営しています。
直近の出店でも、創業融資を利用して店を開けました。その経験から、順番に整理します。

「そもそもいくらかかるのか」は、別の記事にまとめています。
ネイルサロンの開業資金は実際いくらかかるか


資金の集め方は、大きく3つです

どんなお金か いつ手元に来るか 注意すること
自己資金 ご自身で貯めたお金 すでに手元にある 生活費と分けて数える
創業融資 金融機関から借りるお金 審査のあと、開業前に 返済が始まる。計画書が要る
補助金・助成金 条件を満たすと受け取れるお金 原則として、使ったあと 開業の支払いには間に合わない

この3つは「どれか1つを選ぶ」ものではなく、組み合わせるものです。
順番に見ていきます。


1|自己資金:「全額」ではなく「計画の土台」

自己資金はいくらあればいいのか

日本政策金融公庫は、よくある質問にこう書いています。

「自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。」

同じ答えの中で、公庫の調査では、創業資金の総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度とされています。
つまり、多くの方は「足りない分を借りて」開業しています。

数えるときの注意

  • 通帳にいまある金額だけを数えます。「来月入るはず」のお金は数えません
  • 開業後しばらくの生活費は、別に取っておきます。開けてすぐにお客様が満席になることは、まずありません
  • 貯めてきた経過が見えることも大切です。少しずつ積み立ててきたお金は、計画に本気で取り組んできた証拠として見られます

2|創業融資:日本政策金融公庫が第一候補

どんな制度か

国が100%出資する政策金融機関である日本政策金融公庫には、これから事業を始める方向けの融資があります。
いまの制度名は 「新規開業・スタートアップ支援資金」 です。

項目 内容(公庫の案内より)
使える方 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
融資限度額 7,200万円
返済期間 設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金 10年以内(うち据置期間5年以内)
担保・保証人 創業期の方は、原則として無担保・無保証人で利用できる

※2026年9月時点で公庫のサイトに掲載されている内容です。お申し込みの前に、必ず公庫の最新の案内をご確認ください。

限度額は「そこまで借りられる」という意味ではありません。
実際にいくら借りられるかは、事業の計画と、返していける見通しで決まります。

金利が低くなる場合がある

公庫の案内では、次のような方は特別利率(基準より低い金利)の対象になることがあります。

  • 女性の方、35歳未満または55歳以上の方
  • 創業塾や創業セミナーなどを受講して認定を受けた方
  • 地方へUターンなどで戻って創業する方 など

ネイルサロンを開く方は女性が多いので、一度ご自身が当てはまるかを確かめておく価値があります。

借りる前に、決めておくこと

融資の申し込みでは、創業計画書を出します。書くのは、ざっくり言うと次のことです。

  • どこで、誰に、何をいくらで売るのか
  • 開業にいくらかかり、そのうちいくらを自分で出し、いくらを借りるのか
  • 毎月いくら売れれば、家賃や返済を払っていけるのか

いちばん大事なのは最後の行です。
「借りられるか」より「返していけるか」を、先に自分で確かめておいてください。

公庫のサイトには、創業計画書の書き方の案内が載っています。

申し込むタイミング

物件の契約や内装工事の発注より前に、相談を始めてください。
先に大きなお金を払ってしまうと、計画を組み直せなくなります。
また、審査には時間がかかるので、開業日から逆算して早めに動くのが基本です。

自治体の「制度融資」もある

お住まいの自治体によっては、自治体・信用保証協会・金融機関が一緒に組む創業向けの融資(制度融資)があります。
条件は自治体ごとに違うので、市区町村や商工会議所の窓口で聞いてみてください。


3|補助金・助成金:「開業のお金」には数えない

いちばん大事なこと:原則として後払い

中小企業庁の支援サイト(ミラサポplus)でも、補助金は原則として後払い(精算払い)と案内されています。

流れはおおむねこうです。

  1. 申請して、採択される
  2. いったん自分のお金で支払う
  3. 実績を報告して、確認を受ける
  4. そのあとで、補助金が振り込まれる

つまり、開業の支払いに補助金を充てることは、基本的にできません。
「補助金が出るから大丈夫」と考えて自己資金を使い切ると、支払いの時期に手元のお金が足りなくなります。

ネイルサロンの開業に関係しやすい補助金

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉は、中小企業庁の案内では、
創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)の、販路開拓などの取り組みを支援する制度です。
お客様を集めるための取り組みを後押しする種類の補助金です。何が対象経費になるかは、公募要領で決まっています。

上限額や補助率、申請の締め切り、要件は、公募の回ごとに変わります。
使えそうだと思ったら、必ずその回の公募要領(公式の募集案内)を読んでから計画に入れてください。

助成金は、使える条件を先に確かめる

人を雇うときなどに使える助成金もありますが、それぞれ条件が細かく決まっています。
おひとりで開業する段階では、まず融資と自己資金で組み立て、助成金は条件に当てはまるかを窓口で確かめてから考えるのが安全です。


組み立ての順番

資金の準備は、この順で考えると迷いにくくなります。

  1. いくらかかるかを出す(物件・内装・道具・運転資金)
  2. 自己資金で出せる額を数える(生活費は別に取っておく)
  3. 足りない分を、創業融資で借りる計画にする
  4. 毎月の売上で返していけるかを確かめる
  5. 補助金は、使えたら助かるものとして、計画の外に置く

よくあるご質問

Q. 自己資金がほとんど無くても、融資は受けられますか?

公庫は「自己資金は重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要」と案内しています。
ただし、自己資金は計画の土台として見られます。まずは少しずつでも貯めて、その経過を見せられる形にしておくことをおすすめします。

Q. 保証人がいなくても借りられますか?

公庫の案内では、創業期の方は原則として無担保・無保証人で利用できるとされています。
最終的な条件は、申し込みのときに公庫と相談して決まります。

Q. 補助金で開業資金をまかなえますか?

おすすめしません。補助金は原則として後払いで、しかも採択されるとは限りません。
開業に必要なお金は、自己資金と融資で用意できる計画にしておいてください。

Q. 自宅サロンでも融資は受けられますか?

自宅サロンでも、事業として計画を立てて相談することはできます。
かかる費用が店舗型と大きく違うので、まず必要な金額を出すところから始めてください。

Q. 計画書を代わりに書いてもらえますか?

融資の申請そのものは、ご本人が行うものです。
私たちの開業支援でも融資申請の代行は行っていません。お手伝いできるのは、計画の中身(いくらかかり、毎月いくら売れれば続けられるか)を一緒に整理することです。


ご相談ください

私たちは、福岡でネイルサロン5店舗とアイサロン1店舗を運営していて、直近の出店でも創業融資を利用しました。
「借りるべきか」「いくら借りればいいか」「毎月いくら売れれば返していけるか」を、実際に店を開けてきた側からご一緒に整理します。

資金の計画だけのご相談もお受けしています。

ネイルサロンの開業支援について


※この記事は2026年9月時点の公的機関の案内をもとにしています。融資・補助金の制度や条件は変わることがあります。お申し込みの前に、日本政策金融公庫・中小企業庁・各補助金の事務局の最新の案内を必ずご確認ください。融資の審査結果や補助金の採択を保証するものではありません。