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ネイルスクールを出たあと、自分の店を持つまでにやること

最終更新日:2026年9月11日

結論から言うと、スクールを出てから自分の店を開けるまでにやることは、次の5つです。

  1. どの形で開くかを決める(自宅・シェアサロン・賃貸・路面店)
  2. お金の計画を作る(毎月いくら売れば食べていけるかを先に出す)
  3. 場所を決めて、届出を出す(開業届と青色申告承認申請が中心です)
  4. お客様の入り口を作る(ここがいちばん差が出ます)
  5. 開店して、3か月で形にする

準備を始めてから開店まで、早くて3か月、ふつうは半年です。

検定に受かることと、店が回ることは、別の話です。
スクールで習うのは技術と、検定に受かるための手順で、
そこから先(どこで開くか、いくらかかるか、お客様をどう連れてくるか)は、
ほとんどのスクールのカリキュラムに入っていません。
入っていなくて当然で、
スクールは技術を教えるところだからです。

この記事では、卒業してから自分の店を開けるまでに、実際に何をやるのかを順に書きます。
まだスクールを選んでいる段階の方も、「その先に何が待っているか」を先に知っておくと、
コースの選び方が変わります。


まず全体の流れ

やることは大きく5つです。上から順にやってください。
順番を飛ばすと、あとで戻ることになります。

やること かかる期間の目安
1 どの形で開くかを決める 1〜2週間
2 お金の計画を作る 1〜2週間
3 場所を決めて、届出を出す 1〜3か月
4 お客様の入り口を作る 1〜2か月(3と同時に進める)
5 開店して、3か月で形にする 3か月

準備を始めてから開店まで、早くて3か月、ふつうは半年と見ておくと安全です。


1|どの形で開くかを決める

最初に決めるのはここです。あとの4つが全部、ここで変わります。

最初にかかるお金の目安 毎月かかるお金の目安
自宅サロン 50〜90万円 3〜20万円
シェアサロン・レンタルスペース ほとんどかからない 使った分だけ
賃貸マンションの一室 100〜190万円 15〜30万円
路面の店舗 物件によって大きく変わる 家賃+光熱費

「いくらかけられるか」ではなく「毎月いくら払い続けられるか」で決めてください。
最初のお金は一度きりですが、家賃は毎月やってきます。
お客様が少ない最初の数か月を、その家賃で越せるかどうかが分かれ目です。

迷ったときの順番

お客様がまだ1人もいないなら、シェアサロンか自宅から始めるのが安全です。
毎月の固定費が小さいほど、失敗しても立て直せます。
指名してくださるお客様が既に何人かいるなら、最初から場所を借りる選択もあります。


2|お金の計画を作る

ここを飛ばす方がいちばん多く、いちばん高くつきます。

出すのは2本の線です。

線① 店が回る売上

毎月の固定費 ÷ 粗利率

家賃・光熱費・通信費・掲載媒体の費用・材料費を全部足したものが固定費です。
この線を割ると、赤字になります。

線② 食べていける売上(本当の線)

(毎月の固定費 + 生活費)÷ 粗利率

線①は「店が潰れない」だけの線で、自分の生活費は入っていません。
やっていけるかどうかを決めるのは線②のほうです。
先に線②を出して、それが月に何人のお客様に当たるのかまで置き換えてください。

そのうえで、届くかどうかを確かめる

新規のお客様が月に何人来て、そのうち何割が次も来てくださるか。
行き着く先は「新規の人数 ÷(1 – 戻ってくる割合)」です。

戻ってくる割合が3割なら新規の1.43倍、5割なら2倍、7割なら3.33倍。
これが、そのままでは超えられない上限です。

たとえば新規が月10人で戻ってくる割合が5割なら、上限は月20人。
線②が月30人なら、そのままでは永久に届きません。
そのときに変えるのは「何か月がんばるか」ではなく、単価か、新規の数か、戻ってくる割合です。

「何か月で届くか」だけを計算すると、届かない計画に期日が付いてしまいます。

参考までに、業界全体では1サロンあたりの年商は666万円(ネイル白書2025)です。
月にすると約55万円。まずここが、ひとつの目安になります。


3|場所を決めて、届出を出す

届出は、思っているより少ないです

ネイルサロンは、美容師法の「美容所」には当たりません。
そのため保健所への届出は、原則として要りません。

※ただしまつげエクステを扱う場合は美容師免許と美容所の登録が必要です。
 ※自治体によって扱いが違うことがあるので、開く前に地元の保健所へ一度確認してください。
  電話1本で終わります。

税務署に出すもの

書類 いつまでに 何のため
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) 事業を始めてから1か月以内 事業を始めたことを知らせる
青色申告承認申請書 開業から2か月以内 青色申告の控除を受けるため

どちらも税務署の窓口かe-Taxで出せます。書き方さえ分かれば、開業届は10分で終わります。
青色申告承認申請書は、期限を過ぎるとその年は青色申告ができません。
開業届と同時に出してしまうのがいちばん確実です。

あわせてやること

  • 事業用の口座を1つ作る。生活のお金と混ぜないだけで、確定申告が驚くほど楽になります
  • 会計ソフトを決める。月1,000円前後のもので十分です
  • インボイス登録が要るかを考える。個人のお客様だけを相手にするなら、
    多くの場合は要りません。「要る/要らない」を一度考えておけば十分です

4|お客様の入り口を作る

ここが、開業でいちばん差が出るところです。技術ではありません。

開店してから作り始めると、お客様が来ないまま家賃だけが出ていく数か月ができます。
3と同時に、遅くとも開店の1か月前から動かしてください。

最低限そろえるもの

何をするか いつまでに
Googleビジネスプロフィール 店名・住所・営業時間・写真を登録する。無料です 開店の1か月前
Instagram 開店前に作品を10本ためておく。空のアカウントで開店しない 開店の2か月前
掲載媒体 ホットペッパービューティー、ミニモ、ネイルブックなど。費用と客層が違うので、全部やらない 開店の1か月前
LINE公式アカウント 予約と、次の来店のご案内に使う 開店の2週間前

選ぶときの考え方

「どの媒体が良いか」ではなく「自分のお客様がどこにいるか」で選んでください。
20代の新規を数多く集めたいのか、30〜40代の方に長く通っていただきたいのかで、
効く媒体が変わります。掲載料は毎月かかるので、線①の固定費に必ず入れて計算してください。

メニューと値段

メニューは少なく始めてください。多いほど良さそうに見えますが、
選べないお客様は予約をやめます。
最初は「これを頼めば間違いない」というものを1つ決めて、それを中心に組み立てます。

値段は、近所の同じくらいのお店を3軒見て、その真ん中に置くのが無難です。
安さで並ぼうとしないでください。下げた値段は上げにくく、
安さで来たお客様は、もっと安い店ができたら移ります。


5|開店して、3か月で形にする

開店してからの3か月が、いちばん決まる時期です。

  • 来てくださった方に、次の予約をその場で取っていただく。
    これだけで、戻ってくる割合が大きく変わります
  • 写真を撮らせていただく。掲載媒体もInstagramも、写真が資産になります
  • 数字を毎日つける。新規が何人、リピートが何人、単価はいくら。
    月末にまとめて思い出そうとしても、思い出せません
  • 口コミをお願いする。開店直後がいちばんお願いしやすい時期です

3か月たったところで、線②に届いているかを見てください。
届いていなければ、単価・新規の数・戻ってくる割合のどれを動かすかを決めます。
「もう少しがんばる」は、対策になりません。


よくあるご質問

検定は何級まで取ってから独立すべきですか

級そのものよりも、お客様に「この人にお願いしたい」と思っていただけるかどうかです。
ただし、2級まで取っておくと技術の裏づけとして伝えやすく、
掲載媒体のプロフィールにも書けます。

働きながら準備できますか

できます。むしろ、収入がある状態で準備を始めるほうが安全です。
1と2(形を決める・お金の計画を作る)は、働きながらでも進められます。
場所を決めてから辞める、という順番にすると、無収入の期間が短くなります。

貯金はいくらあれば始められますか

形によって変わりますが、「最初にかかるお金」+「毎月の固定費の6か月分」
ひとつの目安です。シェアサロンなら数十万円から、
賃貸の一室なら200万円前後を見ておくと落ち着いて始められます。

一人で全部やらないといけませんか

やらなくて構いません。税金は税理士、雇うときは社労士、物件は不動産屋。
自分でやるところと、任せるところを先に分けておくと、時間の使い方が変わります。


まとめ

  1. どの形で開くかを先に決める。あとの全部がここで変わります
  2. 線②(食べていける売上)を出す。線①だけでは足りません
  3. 届出は思っているより少ない。開業届と青色申告承認申請が中心です
  4. お客様の入り口は、開店前に作る。ここがいちばん差が出ます
  5. 開店から3か月で数字を見る。「もう少しがんばる」は対策になりません

技術はスクールで身につきます。ここに書いたことは、そのあとの話です。
順番どおりに進めれば、ひとつずつ片づきます。

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